06:20 雨
母がシャッターを開けに来てくれて、私は目を覚ました
そして、いつものようにリアンのごはんの支度をする
今日で食べきってしまう小袋のおやつ
メインのフードも、もう残りわずか
だから、
メインのフードを半分にして、
小袋のおやつを少し多めに用意したの
同時に全部なくなってしまうなんて、寂しすぎるから——
ほんの少しだけ、終わりをずらしてみる
コントロールできることは、コントロールする
そうすることで、
自分の負担を少しでも軽くしたいと思っているの
1年前の私は、何度も思っていた
「みんなが元気でいてくれて、私はなんて幸せなんだろう」
「この時間が、ずっと続いてくれたらいいのに」
これ以上の幸せなんていらない
これ以上の幸せなんてない
本気でそう思っていた
だから——
どうか、この幸せを奪わないでほしい
そう願っていた
家族の誰がいなくなっても寂しい
でも、
こんなにも早くリアンがいなくなるなんて、
あの頃の私は思ってもいなかった
今でも、受け止めきれない
「リアンのいない人生なんて考えられない」
あの頃、何度となく口にしていた言葉が、
今はそのまま現実になってしまって
朝から、しとしとと雨が降っていた
そのせいか、
無性にリアンのそばにいたくなって——
朝ごはんを食べたあと、
私は慰霊碑へ向かった
車を走らせながら、
リアンのことを想わずにはいられなくて、
涙が溢れて仕方なかった
逢いたい
触れたい
今日は友引
参拝している人はいなかったけれど、
慰霊碑にはたくさんのお花が手向けられていた
そのお花の数だけ、
リアンは寂しくない気がして
ほんの少しだけ、
私は救われた気持ちになれた
時々、ふと思うことがある
この家のどこかで、
リアンは気持ちよさそうにお昼寝しているんじゃないかって
そんな安心感にも似た感情が、
ふっと湧き上がることがある
でも、その次の瞬間——
姿を探してしまう
そして、
もう二度と逢えないという現実を突きつけられる
そのたびに胸の奥がざわついて、
どうしようもない緊張感と恐怖に襲われる
まるで、
とんでもないことが起きてしまった現実を、
何度も何度も思い知らされるように
安心と恐怖
まったく正反対の感情に、
私の心は何度も揺さぶられる
リアンに逢えないことは分かっている
それでも、
この家のどこかにいる気がしてしまうの
そのたびに、
心が叫ぶ
リアン、どこにいるの?
私は、どこへ行けば逢えるの?
最後まで読んでくださってありがとうございます🍀


