「家族経営の会社」に転職した私
私が配属されたのは、
いわゆる「本社」の位置付けの施設。
ここで10年以上、
笹木さんが一人で切り盛りしてきた事務業務を、
私がバトンタッチすることになったってわけです。
入社初日から感じたのは……スピード感がすごい。
10年選手の笹木さんの手際の良さに追いつこうと、
毎日が「奮闘!追いつけ追い越せ」状態です。
いや、もう笑っちゃうくらい必死になってやってました。
隣の席の潮田さんには
「最初からできる人なんていないよ〜。
笹木さんだって10年かけて今の状態になってるんだから」
って励まして?くれたくらいです。
疑問に思うヒマなんてもちろんなし。
「これはどう処理すればいいの?」と確認するのがやっとで、
考える余裕ゼロ。
そんな私に女社長がアドバイスをくれました。
「理屈じゃないの!これはこうって覚えるの!」
いやいや、言われなくてもそうしてますがな😂
そうするしかないって方が正しいくらいよ!
と、心の中でツッコミを入れつつ、
なんとか毎日をこなしていました。
休みたいのに休めないカレンダー問題
入社から5か月ほど経った頃、
そろそろ私も休みたいな~と思って、
カレンダーで日程を確認してみたんです。
すると……衝撃の事実が判明。
月初・中旬・下旬に「締め」の処理が見事に分散されており、
つまり「この日に休みたい!」ができない。
「この日なら休める」ということ。
一人事務の宿命、ここに極まれり。
代わりに頼める人なんて当然いません💧
前職はチーム制だったので休みは比較的自由だったけど、
あの自由は当たり前じゃないんだなと今更ながら気づきました😅
遅っ!!
カレンダーを眺めながらため息ひとつ。
「これ、ほんとに私が望んでいた働き方…?」
つい心の声がもれてしまいます。

私、ここで働きたいと思ってたはずなのに…?
介護の世界を学びたい。生活のためにも働きたい。
正直そんな気持ちで入った会社ですが、
5ヶ月も経つと、業務だけでなく周りの様子も少し見えてきます。
仕事内容そのものには不満はない。
でも、心の奥底に小さなザワザワが止まらない。
ここは正社員でもパートでも、待遇に大差なし。
なのに正社員ってだけで、
仕事量がズシーン!と重くのしかかる。
休みを取りたい日も自由にならない。
なんだか、肩書きだけが重くて身軽さゼロ。
正社員にこだわる理由、ある?
「正社員=正解」って思い込んでいました。
でも現実は、責任と仕事量だけが増えて、
給料も待遇も思っていたほどじゃない。
じゃあ私が正社員にこだわる意味って……?
どうやら私が本当に求めていたのは「納得感」だったみたい。
肩書きや形式よりも、毎日「これでいいんだ」と思える働き方。
入社前に描いていた夢と現実のギャップに、
頭の中でツッコミを入れつつも、
ゆる〜く考え始めた…あの頃です。
  
  
  
  
    
